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イタリアのフィレンツェに

San Jacopino(サン ヤコピーノ)

と言う名の広場があります。

 

聖人San Giacomo(サン ジャコモ)の愛称であり、このお店の名前です。

今日はその話を少し。

 

イタリアには「餅は餅屋」というように、肉は肉屋で買い、野菜は八百屋で買う。

と言う習慣が、まだ当たり前のように残っています。

 

大きなスーパーも、もちろん便利ですが、

どんな風に調理すれ美味しく食べられるかを聞いたり、

旬の食材の味見をさせてもらったりするなら断然、専門店です。

 

広場には、沢山の専門店が軒を並べ、活気に溢れていました。

近所の人たちは、足繁くそこに通い、買い物の合間におしゃべりを楽しむ。

あの場所は、地元の人のコミュニケーションの場でもありました。

 

その後、あまりに居心地が良すぎたのか、14年間のイタリア生活のうち

10年もの歳月を、このSan Jacopinoで過ごすことになってしまいました。

 

今でも目をつぶって歩けるくらい、あの場所の事はよーく覚えています。

 

どんな偶然が起こったのかは分かりませんが、

当時、私が働いていたレストランの名は

Borgo San Jacopo(ボルゴ サン ヤコポ)と言うお店でした。

 

Jacopo と Jacopino

二人のヤコポに見守られ、今の私がいます。

 

日本だけでは、決して味わうことのできなかった多くの出来事や、

数え切れないほどのたくさんの出会い。

二人のヤコポが運んできてくれた幸運です。

 

San Jacopinoに今もある、あのアパートは紛れもなく私の家でした。

多くの友人を招き、何度となく一緒に食卓を囲みました。

あまりにも楽しくて、食べ過ぎたり、飲み過ぎたり。

 

今夜、誰かがこの店のドアをくぐったなら、

その人は私の大事なお客様であり、大切な友人です。

 

我が家へようこそ。

「さぁ、今日は何を作ろうか?」